調味料おばさんのブログ

気持ちの悪い俳優オタクのしがないブログ。 主にドラマとか映画の感想…を書き連ねるつもりです。 諸事情によりちょくちょく関西弁が出ます〜〜〜。ピェー!

映画「怒り」感想

 

 

※予告CMで公開されている範囲の台詞を引用しています。
ネタバレはしていませんがオススメのシーンを軽く説明していますので、断片的な内容でも知りたくない、ネタバレだと感じる、という方はご遠慮下さい。

 

 

 

 

 

愛した人は殺人犯なのか?


時間の関係で原作に触れずに映画を見に行きました。
でもそれが良かったかもしれません。

 

「この中に殺人犯が1人」
という予告CMでのキャッチコピー。
ギリッギリ最後まで真実が分かんないんですよ…!めっちゃ翻弄されました。
原作で結末を知っていたら、また違った見方が出来たかもしれませんが、知らなかったからこそ、最後の最後まで「してやられた!」という感じ。
演出、最高カヨ…

 


全編を通して、「愛するとは」「信じるとは」という事を基にしています。
信じたいのに、信じられない。
自分の中で膨らむ疑念に、恐れ、戸惑い。
何を信じればいいのか、信じているからこそ、愛しているからこそ、どうすればいいのか。

 そして、人間が内に抱える「怒り」という感情。
何に対して、何故、どういう状況で、「怒り」は沸き起こるのか。

それぞれの感情が、繊細にスクリーンに映し出されていました。

 


予告CMでは
泣きながら声を上げる宮崎あおいちゃん。
海に向かって叫ぶ広瀬すずちゃん。
外を見つめる綾野剛に後ろから寄り添う妻夫木聡
といったシーンが印象的でしたが、
どれも最高に良かったです…
めちゃくちゃ泣きました…

 


主要キャスト7名の他にも、脇を固める俳優陣の豪華さたるや……
東京編では高畑充希ちゃん。
千葉編では池脇千鶴さん。
優馬の母親役の原日出子さんすごく素敵でした…流石だな、と。
刑事であるピエール瀧さんと三浦貴大さんも良くて、細かい演技でクスリと笑えたりしました。

そしてそして、沖縄編での佐久本宝くん。今回1200人の中からオーディションで大抜擢されたという彼。
泉ちゃんの同級生である辰哉くんを演じていたのですが、とっっっても素晴らしかった…
目線や台詞の間に、辰哉の意思がめちゃくちゃ宿ってる感じ。
コイツァすげぇ役者が出てきたぞ…と、彼の演技に打ち震えました。

 

 

 

ここからは各編のオススメシーン、及び感想です。

 

 


*東京編*
優馬と直人はハッテン場で会うのですが、このシーンが最&高。
三角座りで蹲ってる直人の足を、優馬は自らの足でこじ開けようとする(伝わりにくい…)のですが、その時の直人の嫌がる顔がツボ。ツボすぎる。
何やその反抗的な目は!!!
そりゃ優馬もムキになっちゃいますよ無理やりいっちゃいますよ。
終わる時も直人の口から唾液がツツーっと。
なんなんですか?!??綾野剛は天才なんですか?もっとやれ!!ってなります。

その後、2人は共に暮らす訳ですが、
コンビニ帰りの直人を見つけた仕事帰りの優馬が、バレないように後ろを歩くシーンがあってですね。
直人はコンビニで買ったお弁当が傾いちゃってそれを何とか直そうと悪戦苦闘するんですよ。。。
それを見ている優馬の顔が…もう……
こっちも菩薩顏になるほど微笑ましすぎて、思い出しただけで手を合わせます(南無阿弥陀仏)

ベッドシーンでも優馬と直人の肌のコントラストが素敵なので是非注目してみて下さい。
語りすぎちゃうので次に行きます。

 

*千葉編*
宮崎あおいちゃん演じる愛子ちゃんがまぁ、何というか「普通と違う」女の子なんです。
そんな愛子ちゃんが前歴不詳の田代くんと出逢います。
愛子ちゃんは田代くんだからこそ惹かれて、田代くんも愛子ちゃんだからこそ受け入れたんだろうな…
そう考えると、運命の相手っているのかもしれない…と感傷的になりました。

愛子ちゃんの取った行動は、果たして間違っていたのか?
これに関しては人それぞれですが、愛子ちゃんの行動は誰しも納得出来るものなのではないでしょうか。

また、渡辺謙さんのお父ちゃんが、愛子に対して、田代に対して、真剣に考えている…お父ちゃんがどれだけ愛子を思っているか…
あぁ、私もお父ちゃんの娘に生まれたかった。。。

 

*沖縄編*
広瀬すずちゃん演じる泉ちゃんにある出来事が起こるのですが、
その後からのすずちゃんの表情の違いがすごすぎる。
私は広瀬すずちゃんを「可愛らしい(だけの)女の子」と思っていました。
違いました。やっぱり女優ですね。
彼女の事、初主演ドラマのイメージだけで見てきたので、女優としての成長が全身にグワッと来ました。(自分何様やねん)
広瀬すずちゃん、惚れました。完敗です。

そして森山未來さん…もう流石すぎて…
田中は、怪しいのに何処となく気になっちゃう、という感じ。
泉ちゃんもそう思ったんでしょうね…


予告CMでの優馬と直人の
「お前の事、疑ってんだぞ?」
「疑ってんじゃなくて、信じてんだろ」
というやりとり。
あぁ、神様、時間を止めて…2人の幸せよ、永遠なれ。
ってなりました。多分分かってくれる人いるんじゃないかな?!

また、泉ちゃんの
「いくら泣いたって、怒ったって、
誰も分かってくれない」
という台詞。
「怒り」を抱えている人の気持ちは、結局本人にしか分からない、
私は何も分かってあげられない、理解しているふりしか出来ないんだろう、と思いました。
難しいなぁ、人の気持ちって。

 

愛するってどういう事か、
信じるにはどうすればいいのか、
そういう事を考えさせられる映画でした。
見る側がコレだけエネルギーを使う映画だから、演者である俳優陣は相当なものだっただろうなぁ…
本当にすごい映画でした。
制作に携わった皆様、お疲れ様でした。
素敵な作品をありがとうございました。
時間を見つけて原作を読んでみようと思います。
多分一気に読み終わるだろうけど、読み終わった後の疲労感が半端なさそう…と思ってます。

 

みりん